「あ・あ・あ・あ〜〜〜!!もう!!暗いったらありゃしない!!いいからおいで!私と遊ぶの!!」
「わわわ!ちょっと待ってよ!せめて、かごを置きに帰らせてよぉ〜!」
自分をひきずるように走り出そうとするチャームに、ロップは必死で叫んでいます。
「もぉ〜〜!しょーがないわね!あ、そだ!ついでにアンタのペットも連れて行こうよ!あのコだけよ、この村で明るいのって!」
「それにチャームもね。‥‥いてっ!!」ぽつりとつぶやくロップの頭をチャームがはたきました。
「人をサルと一緒にしないで!」

「おばさ〜〜ん、ロップとエコゥテ、借りてきますね〜〜!」
返事も待たずにロップの家の扉をにぎやかに閉め、さっきのかごのかわりにロップのペット・ムゥマンキーのエコゥテを肩に乗せて元気に走り出すチャーム。ロップはそんな彼女にひきずられるように必死に駆けています。
エコゥテの明るい鳴き声とふたりの長い耳が、村のまんなかを流れる小川の道を通り、 近くの丘へと向っていきました。

〜春風が連れてきた女の子〜
それが村での彼女の評判です。

「さっ!教えてよ、風の乗り方!大体のやり方くらいは知ってるんだけど、イマイチコツがつかめなくてさぁ〜‥‥」
「ほえぷ〜〜♪」
チャームはロップに話しかけながら良い風の吹く場所を探し、丘の上をうろうろと歩いています。
「風だまの使い方はあんまり興味ないのよね〜。石を削ったりもできるんだってね?そんなのチャームキックで充分よ!ふふん!」
「ほえぷ〜〜♪」
「‥‥‥‥」
「ほえぷ〜〜♪」

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