それからロップはチャームにせっつかれ何度も何度も風に乗ろうとしました。でもその度にすり傷を作るばかりです。
「もぉ〜〜、駄目ねぇ!こんなの簡単じゃない!もう、これじゃどっちが初心者かわかんないわよ。」
「ほえぷ〜〜」
まるでチャームに同意するみたいなエコゥテの楽しげな鳴き声。
「‥‥だってホントに風が吹いてないんだからしょうがないじゃない‥‥。旋風草も使わずにあれだけ飛べるチャームがおかしいんだよぅ。」
ぎゅぅう〜〜!
「いたたた!なにするんだよ、チャーム!」
ほっぺたをつねられてロップはあわててチャームの手を引き離します。
「何が悪いか、よ〜〜っくわかったわ。やっぱりその辛気臭い顔が駄目なのよ。」
「‥‥は?」
ぎゅうぅぅう〜〜!
「いたたたたた!!」
「いい?世界っていうのはみんなの夢でできてるのよ?いい夢を見ればよくもなるし、悪い夢ばっかり見てたらまたあんな世界になっちゃうのよ?
アンタみたいにそんなくっらぁ〜〜い顔してたらそりゃいい風だって逃げちゃうに決まってるでしょ!」
「ててて‥‥。そんなこと言ったってさぁ‥‥僕らはクロノアがいなきゃ始まらないんだよぅ‥‥」
「それよ!クロノアがどこ行ったかしらないケド、また会いたかったら彼が来たくなるような村にしなきゃ駄目でしょ?!楽しい村にしなきゃ!」
「‥‥でも、楽しくないもん‥‥。」
「‥‥んもぉ〜〜、ほんっとに‥‥!!」
チャームの手がロップをぎゅっと掴んで‥‥
「どっちがこの村の案内役か‥‥」
立ち上がるとまた駆け出します。
「わからないじゃないのぉ〜〜!!」
だだだだだ!!
「うわわわ!今度は何ぃ〜〜?!」
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