ふわっ‥‥

ふたりの前に、色鮮やかに広大なパノラマが広がります。

「いい?これが私たちの世界よ!
まだまだこの先にも、ずっと先にも、見えないところにだって世界は広がってるんだから!」
丘の下から吹き上げる強い風が二人の耳をなびかせました。
びゅうう〜〜‥‥‥‥
ロップの胸の中のもやを吹っ飛ばして、強い風が吹き抜けました。
チャームは瞳を輝かせてロップに向き直ります。
その瞳に見据えられてロップの胸はどきりと高鳴りました。
チャームは吹き抜ける風に負けない強さで語ります。



「この世界ぜんぶが私たちのステージなんだよ。
遊び尽くさなきゃ、もったいないって思わない?」

じっと見つめながらチャームは、いたずらっぽくロップに微笑みかけます。

きらきらと輝くその瞳にロップは、クロノアの瞳をだぶらさずにいられません。

「‥‥‥‥」
ロップはくすりと笑うと、丘から飛び出しました。
「おいでよチャーム、風に乗ろうよ!」


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