「うわ〜〜……怪物の親玉だぁ〜〜!!」
遊んでいた子供たちはいっせいに水からあがって逃げ出します。プルゥはただ一人、じっとそれに……竜に見入っていました。みんなが自分の横を駆け抜けても気がつきません。
だんだんと降りてくる竜。その背中に誰か一人の人影がすっくと立ちあがると迷うことなく湖へとダイビングしました。見事なフォームでまっすぐに、まるで湖に吸い込まれるようにその人影は落ちて行きます。

どっぱーーん!

跳びこんでからしばらくしてからすーっと水面へ出てきた誰かに続いて竜も水へと飛び込みます。

だっばぁああん!!

勢いよく飛び散った泉の水でずぶぬれになってやっとプルゥは我に返りました。
「ああああ!パッシュでち〜〜!パッシュでち〜〜!!」
とたんに今度はおおさわぎです。あまりのその騒ぎように、それも自分の名前を連呼するその声に、泳いでいた誰かはプルゥに気がつきました。
「なんだぁ?」


(2)