夕日を背にして巨大な竜が、さらに大きな飛び魚をあごにしっかとくわえて舞い降りてきました。
人々がさっと場所を開けた広場に竜は飛び魚をほおりなげ、竜とその主・パッシュが降り立ちます。
「プルゥ、かっこよかったぜ!」
片目をつぶってにやりと笑いながらパッシュは言いました。
「パッシュもなかなかでちよ!」
プルゥは明るく笑いながら言いました。

盛り上がる人々をぬけて、その二人に王様が近づきにこやかに話し掛けます。
「ありがとう、若い勇者たち。褒美をさずけよう。何がいい?」
パッシュはヤーフのくわえてきた巨大な飛び魚を、くいっと指差して言います。
「じゃあこいつを焼いてくれ。すっかり腹ペコだからな。」

わっと湧き上がった人々に胴上げされ、二人はいつまでも笑っていました。



おしまい

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